月経のお悩み
(無月経・生理不順・PMS)

生理が来ない・無月経

原発性無月経

18歳までで生まれて一度も生理が来ていない場合。

症状

第2次性徴(思春期の体の変化)は乳房発育、陰毛発生、初経(初めての月経)の順に来ます。
満18歳を過ぎても月経が来ない場合を原発性無月経といいます。

原因

体質的に思春期が遅い人は体質性思春期遅発症といい遺伝や体質によるもので病気ではありませんが、中にはホルモンの異常などが原因の事もありますので、次のような場合には18歳まで待たずに受診してください。

  • 15歳になっても初経(初めての月経)が来ない。
  • 乳房が大きくなり陰毛が生えてきても月経が来ない
  • 10歳未満で乳房が発育してきたのに月経が来ない
  • 13歳までに乳房発育がない
診断と治療

第2次性徴の診察のほかに内分泌(血液ホルモン)検査をします。場合により染色体検査などをすることもありますがそのような段階では専門医にご紹介します。

続発性無月経

一度は月経が来ていた人で3ヶ月以上来ない場合。

【初めて生理が来て数年以内の無月経】

症状

思春期(12歳から高校生まで)はホルモン調節システムが未熟なため生理が定期的に来ないことは異常ではありません。

治療

自然に生理が来ない場合には、2~3ヶ月に1回生理が来るように都度、卵胞ホルモンと黄体ホルモンの内服薬で調節します。

【視床下部性無月経】

卵巣や子宮には異常がない場合の無月経でダイエット、過度の運動、薬の副作用などによるものです。

  1. 体重減少性無月経

    ダイエットなどで体重が減少したことが原因で無月経になる人は少なくありません。ホルモン治療を開始する前に身長から割り出した標準体重の90%になるように、あるいは生理の来ていたころの体重まで戻るように食生活を改善することが先決です。
    ただ本人には単なるダイエットの結果の無月経としか自覚していなくても摂食障害が隠れていることも多くその場合は、婦人科疾患というより心療内科の領域になりますのでカウンセリングなども含めたた対応が必要になります。

  2. 高プロラクチン血症
    無月経の患者さんの約3割が血液検査でプロラクチンが高くなっています。
症状

無月経などの月経異常のほか、乳汁漏出(授乳期でないのに乳汁が出る)などがあります。

原因

精神科や消化器科の薬の服用のほか甲状腺機能低下症などの全身の病気が原因のこともあります。

診断

血液プロラクチンを含めたホルモン検査を行います。プロラクチンが継続して高い場合は脳MRIをして脳腫瘍がないか調べることもあります。

治療

原因に応じた治療をします。

卵巣性無月経

早発卵巣不全(POI)
症状

ずっと月経が来ていたのに40歳未満で4ヶ月以上生理が来ず平均より早く卵巣内の卵胞が減少したり消えてしまう状態です。

原因

病因は不明ですが遺伝子もかかわっていると考えられています。

診断

血液ホルモン検査のほか卵巣予備能を抗ミュラー管ホルモン(AMH)で測定することもあります。

治療

卵巣の働きが自然に回復する場合もありますが、出産を近い将来希望する場合には早期に不妊専門クリニックを受診してください。
早発卵巣不全でエストロゲン(卵胞ホルモン)が低い状態が続くと骨粗しょう症や脳梗塞、心筋梗塞などのリスクが増加するため、出産を希望しない場合でも女性ホルモン補充療法を行います。

生理不順

多のう胞性卵巣症候群(PCOS)

多のう胞性卵巣症候群は生理のある女性の5~8%にみられ月経の異常や不妊症の原因になります。

症状

生理不順、不正出血、ニキビ、多毛などの他、肥満、糖尿病などがあります。

原因

遺伝や環境などいろいろな因子がからみあっています。

診断

月経異常などの症状に加えて超音波検査で多のう胞性卵巣がみられ、血液ホルモン検査などをあわせて診断基準にしたがって確定します。

治療

患者さんの年齢やすぐに出産希望かどうかなどの社会的背景により主としてホルモン治療を行います。

月経前症候群(PMS)

月経前症候群(PMS)

PMS は「月経前 3~10日のあいだに続く精神的あるいは身体的症状で、月経発来とともに減弱あるいは消失するものをいう」と定義されます。

原因

原因ははっきりしませんが、月経周期に伴う女性ホルモンの急激な変動にストレスが加わった病態と考えられています。

  1. ライフイベントや日常生活におけるストレスの存在
  2. 抑うつや不安状態といった情動上の変化の存在
  3. 性格傾向や行動上の問題(ストレスの認知とコーピングスタイル、生活習慣も含む)の存在
  4. 成育歴上の人間関係の問題(親子関係など)の存在
  5. 疾患自身の心理・行動面への影響の存在
症状

精神症状としては、抑うつ、怒りの爆発、イライラ、不安、判断力の低下、社会的引きこもり、などがあり身体的症状としては、乳房痛、腹部膨満、頭痛、手足のむくみ、下腹部痛などがあります。

月経前気分不快症候群(PMDD)

4つの症状
  1. 抑うつ気分
  2. 不安・緊張
  3. 情緒不安定
  4. 怒り・いらいら

上記の症状と、食行動の変化や睡眠障害などの特徴的な症状が月経前に出現することで、社会活動や人間関係に支障をきたす精神神経疾患であり月経前症候群(PMS)とは区別されています。
当院ではPMDDには対応できませんので公認心理師によるカウンセリング、精神神経科あるいは心療内科にご紹介しています。

治療

まずは運動習慣やリラクゼーションなどストレスにうまく対処する方法を自分でみつけることです。
偏食や過食、ダイエットを避けるなど食習慣にも気を配ります。

対症療法

むくみには利尿薬や抗アルドステロン薬(にきびのある人にも有効です)、抑うつ傾向の人には月経前だけ選択的セロトニン再取り込み阻害薬物療法(脳内の活性物質セロトニンを維持する治療法)を処方することもあります。
ピリドキシン(ビタミンB6)が有効なこともあります。

低用量ピル(OC/LEP)

排卵をおさえることで女性ホルモンの振れをなくしてPMSの症状改善に効果があります。1相性ピル(ヤーズなど)が有効です。

漢方薬

その人の証にあわせて、当帰芍薬散、桂枝茯苓丸、加味逍遥散、桃核承気湯、女神散、抑肝散などを処方します。

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